上新電機株式会社 様インタビュー

━━ まずは AWS の利用状況を教えてください。

AWS で構築したサーバー上にある電子帳票システムを、各拠点からプライベート接続して利用しています。

━━ クラウドサービスを利用するに至った経緯を聞かせてください。

元々、弊社では2系統の電子帳票システムが、それぞれ独立して動いていました。
ひとつは、旧来のホストコンピューターからの出力データを電子帳票に変換して保存するシステム。そしてもうひとつが、BIツールを使って出力した帳票イメージのデータを保存するシステムです。
“このふたつを統合できないか”というのが、弊社の兼ねてからの課題でした。

そんな折、ホスト側のシステムがバージョンアップして、BIツールで出力した帳票イメージを扱えるようになったのです。
また併せてクラウドにも対応するようになったこと、ホスト側のサーバーが老朽化による入れ替えの時期が来たことで、クラウドへの移行を本格的に検討することになりました。

━━ 利用するクラウドは、最初から AWS に決められていたのですか？

いいえ。どのクラウドにするかは、 AWS を含めて3つのサービスから検討しました。 その中で、最も知名度が高かった点、バックアップが簡単に取れるという利便性、そしてコストの安さから、 AWS に決めました。

ただコストが安いとは言っても、サーバーの運用費用を5年間で考えた時に、従来のオンプレミスとクラウドを比べると、クラウドの方がコストが掛かってしまう計算でした。 そのため当初は、コスト面で導入を決断することが難しい状態でした。

━━ その状態をどのように払拭して、クラウド導入まで進められたのですか？

AWS の稼働時間を少なくすることで、コストを抑えました。 帳票データのシステムは、会社の始業から終業まで動いていれば良いので、夜間はクラウドを止めて、大体1日の2／3程度の時間だけ動かすという方針で、改めて試算したのです。 そうしたところ、24時間使う場合に比べて格段に費用を安く抑えることができると分かったのです。

オンプレミスと比べた場合でも、約40％もの費用削減になるとあって、導入を決断することができました。 ちなみにここで言うコストとは、サーバー費用だけでなく、開発費用、運用費用、ソフトウェアの保守など、すべてを含んだ費用になります。

━━ 費用面以外で、クラウドや AWS を導入するにあたってネックとなったことはありましたか？

クラウドならではのリスクの回避は、ひとつの課題でした。 そこで、考えられるリスクをすべて挙げて、それぞれに対する回避方法を検討しました。

1. 外部からのアクセスによる情報漏洩：
プライベートアドレスを設定して、外部からのアクセスをシャットアウトする

2. データを通信している時の情報漏洩：
VPN を利用してアクセスする

3. システムの障害対応：
アプリケーションの場合は弊社が対応し、ハードウェアなどアプリケーションに至るまでの部分は、 AWS およびターン・アンド・フロンティアさんが対応・修復

4. データ保全性：
AWS が自動的に二重、三重でバックアップする他、社内のバックアップシステムの中にもデータを保存する

5. ネットワークの障害に対する対応：
冗長化する他、 AWS およびターン・アンド・フロンティアさんが自動的に対応・修復

6. 弊社または事業者のクラウド撤退：
社内のバックアップシステムに保存したデータを活用する

こうしてまとめると、自動的にバックアップされたり、 AWS やターン・アンド・フロンティアさんが対応してくれるなど、オンプレミスより利便性が高かったり、優れている箇所もあるため、社内のコンセンサスは得やすかったです。

━━ AWS のパートナーとして、ターン・アンド・フロンティアを選んだ経緯もお聞かせください。

電子帳票システムのメーカーさんから、信頼できる AWS ベンダーとしてご紹介いただいたのが、ターン・アンド・フロンティアさんでした。

関西ではナンバー1の実績をお持ちという安心感、またドル建てで払わなければならない AWS 利用料を支払い代行していただけるということで、特に企業選定などは行わず、信頼してお任せすることになりました。

━━ AWS を運用するにあたって、自社内でやろうというお考えはなかったのでしょうか？

ありませんでした。 実現できれば、コストとしてはもっと安くなったのでしょうが、弊社では今回が「初めてのクラウド」ということで、勝手が分かりませんでしたので、最初からベンダーさんにお願いすることを想定していました。

━━ ターン・アンド・フロンティアを通して AWS を導入したことで、改めて感じた良かった点を教えてください。

「運用監視を任せられる」、「開発期間が短縮できる」、「スケーラブルで伸縮自在」という点です。

● 運用監視を任せられる

今までやっていた運用監視のほとんどを、ターン・アンド・フロンティアさんにやってもらえるのは、大きなメリットでした。
社内の運用担当がやることは、ほんの一部だけでよくなりましたし、その一部も、 AWS を簡単に操作できる「 Simple Dashboard 」というツールを提供していただけたので、簡単に状況やレポートの確認をすることができています。
運用を開始して2年近く経過しましたが、トラブルもありません。

● 開発期間が短縮できる

オンプレミスと AWS での大きな違いのひとつは、サーバーの構築期間です。注文から納品、セットアップまでの期間を比べると、オンプレミスなら1ヶ月以上かかるところ、 AWS だと1～2週間でできてしまいます。
そのため開発期間を、約1ヶ月近くも短縮することができました。

● スケーラブルで伸縮自在

AWS では、データ容量やパフォーマンスなどを必要に応じて自由に、またすぐに上げられます。逆にオンプレミスの場合は、サーバーが5年後にどうなるかまで想定して構築しなければなりません。
そう言う意味で、極端な話「今」だけ考えていれば良いのは、大きな利点でした。 初期投資が少なくて済むのも良かったですね。

━━ ターン・アンド・フロンティアに対する評価を聞かせてください。

満足しています。 最初の段階から、「こうしたい」という弊社の思い、希望に的確に応えてくださる提案をいただけましたし、実際にサーバーの構築を行うにあたっても、すべてお任せする形で、その希望を叶えてくださいました。 運用に関しても、 AWS に障害が発生したら、すぐにメールで「こんな障害が発生しました、今から対処します」とご連絡いただけるうえ、あっという間に対応してくださいます。 弊社の業務を、しっかり下支えしていただいているという安心感があります。

AWS に関して深い知識をお持ちなのも、評価している点です。 情報システムの技術は多岐にわたり進化も早く、限られたメンバーですべての技術に精通するには時間がかかります。 そうした部分を、深い知識でサポートしてくださるのは、ありがたいですね。 また専門的な AWS の知識を持っているからこそできる、新たな提案をしていただけるのも、ターン・アンド・フロンティアさんに依頼して良かったところです。

━━ ターン・アンド・フロンティアへの依頼を考えている会社に向けて、おすすめのポイントを伝えるとすればどこですか？

豊富な実績と知識量です。 大阪で一番古くからクラウドに携わってこられた会社ということで、様々な事例をお持ちですし、そんな事例に裏打ちされた確かな知識を持っていらっしゃるので、安心してお任せすることができます。

━━ 上新電機株式会社様の今後のクラウドにおける展望と、そのためにターン・アンド・フロンティアに期待することはなんですか？

今後、社内で新しい仕組みを作るとなった際、クラウドは必ず選択肢のひとつになってくると考えています。例えば、デジタルトランスフォーメーションやAIといった分野においては、既に弊社でもクラウドの活用も含め試行錯誤を始めています。

また弊社では、数百台単位のサーバーを運用しているため、毎年何台ものサーバーの入れ替えを行っていました。
これがクラウドになれば、入れ替え作業をすることなく常に最新の状態になってくれるため、将来的には今あるサーバーのクラウド化も検討しています。

これらのプロジェクトが具体化した際には、ぜひターン・アンド・フロンティアさんにお力添えをいただければと考えています。