株式会社京阪百貨店 様インタビュー
株式会社京阪百貨店
- 管理本部 経理部 情報システム担当部長
- 井上 匡人 様
ご利用用途
京阪沿線を中心に5店舗を構える京阪百貨店様は、売上・顧客データ分析のための情報基盤(DWH+BIツール)でAWSをご活用中。
弊社はお客様アカウントの運用を、技術面や24/365監視でサポートさせていただいています。
- 主なOS・ミドルウェア
- RedHat, Windows, Oracle, Hinemos
- AWSプロダクト
- AWS Direct Connect, Amazon EC2, Amazon RDS, Amazon S3, Amazon Redshift
- 利用されているcloud linkのサービス
- お客様アカウントの監視サービス
売上・顧客データ分析のための情報基盤(DWH+BIツール)をクラウド化
━━ まずはAWSをどのように活用しているのかを教えてください。
POSから上がってくる売上データや、顧客の購買データといった各種情報を蓄積・分析するための情報基盤[ DWH(データウェアハウス)+ BIツール ]として、AWSを活用しています。
━━ 情報基盤にAWSを利用することになった経緯について聞かせていただけますか。
きっかけになったのは、使っていたデータベース(DB)がなくなってしまうことでした。
弊社では元々、社内にサーバーを置いて、そこでBIツールを動かしていました。そのBIツールでは、ロー型DBとカラム型DBを並行して使っていたのですが、カラム型DBを開発していた海外の会社が、営業を終了してしまったのです。
後継のDBも存在はしていたのですが、使っていたサーバーが更新時期を迎えようとしていたことや、かねてよりサーバーを社内ではなく外に置いておきたいという思いがあったことから、クラウドを検討することにしました。
━━ なぜサーバーを社外に置きたいと思われていたのですか?
社内サーバーは運用や更新に手間が掛かるからです。そのために人員も常に配置しておかなければなりませんので、そうした手間や人員配置のコストを解消したかったのです。
また社内サーバーでは、少しニッチな仮想化ソフトウェアを使っているのですが、環境構築や運用の引き継ぎといった今後の事も考えると、クラウド化を進めることで、もっと一般的なソフトウェアに切り替えたほうが良いという思いもありました。
━━ POSデータや顧客の購買データをクラウド上に保存することに対しては、社内での反対意見はありませんでしたか?
そこは特にありませんでした。
というのも、当初から個人情報はマスキングした状態で、クラウドに持っていく方針だったためです。
データの分析をするにあたって、個人名や住所のこまかな部分、電話番号などは必要ありません。世代や性別、大まかな住所が分かれば、後はすべてIDで管理できますので、その点の心配はいりませんでした。
「機能とコスト」「情報基盤としての柔軟性」がAWSを選んだ理由
━━ 利用するクラウドをAWSに決めた理由はなんだったのですか?
「機能とコスト」、そして「情報基盤(DWH+BIツール)としての柔軟性」のふたつが決め手になりました。
まず「機能とコスト」については、単純に同程度のサービスを比較した時に、AWSが一番高機能で、かつ安かったということです。
社内にサーバーを置く場合と比較して、同じかそれ以上のことができるうえ、運用費も安くなる。だからクラウドを導入しましょう……という流れを作れたので、社内の説得もしやすやかったです。
また「情報基盤としての柔軟性」も高かったため、弊社がやろうと思っていた移行がスムーズに行える点も、クラウド選定の大きなポイントでした。
利用しようと思っていたAmazonの「Redshift」というDWH(データウェアハウス)は、分析に特化したDBでもあるため、これまで弊社が使っていたようなカラム型DBと同じような使い勝手でデータを収集、分析することができます。
また弊社が使っているBIツール「Oracle BI」をサポートしてくれているため、各店舗や事務所からの情報を、同じツールをほぼそのまま使って、AWSに上げることもできました。
高い技術力と関西にある安心感でターン・アンド・フロンティアをパートナーに
━━ AWSのパートナーとして、ターン・アンド・フロンティアを選んだ経緯を教えてください。
AWSを導入する方向で話がまとまり掛けていた頃に、「一度使ってみよう」とAWSのアカウントを取得して、まずは自分でいろいろと触ってみることにしました。
同時に、AWSに関するセミナーにもいくつか参加して勉強してみたのですが、AWS独自の言い回しや、ユーザー権限などの独自機能を、把握することの大変さに気づいたのです。 これはどこかAWSに造形の深い業者に入ってもらわないと難しいと思い、パートナーを探すことにしました。
そんな折、AWSの営業担当の方から紹介していたいだいたのが、ターン・アンド・フロンティアさんでした。
同時に、他の企業からのご紹介や、名乗りを上げてくださった企業もあって、最終的には4社でコンペを行っていただきました。
それぞれ良い点はあったのですが、大きな理由としては、技術力が高かったことと、大阪に本社がある会社で、顔を合わせて打ち合わせしやすいという安心感などから、総合的に判断してターン・アンド・フロンティアさんにお願いをすることにしました。
それと、AWSの構築はできるだけ自分たちで実施しようと考えていました。
そのためパートナーに求めることは、Q&Aのような形でのサポートだったのですが、普通のパートナーはそれをあまり良しとしてくれず、「自分のところで全部やります」という話になることが多かったのです。
ターン・アンド・フロンティアさんは、その点でも柔軟に対応してくださるとのことだったので、安心してお願いできました。
AWSのアカウントも弊社が管理しています。
最初にお試しでAWSのアカウントを取得した兼ね合いもあって、それをそのまま使っている形です。
一般的にはターン・アンド・フロンティアさんが管理するAWSのアカウントに紐付いたユーザーとして、弊社が一定の権限を与えられる形になるところ、現状はその逆で、弊社がターン・アンド・フロンティアさんにユーザーアカウントをご提供している形になっています。
AWSのパートナーさんからすると、少し面倒な部分もあると思うのですが、それでも問題なく対応してくださる点も、非常にありがたかったです。
トラブルなく運用管理の手間も減少
━━ 運用を始めて約1年3ヶ月が経過しましたが、AWSに対する評価はいかがですか?
AWS側でのトラブルはありませんし、運用管理上の手間もかなり減ったので、導入して良かったです。
ただ、いつの間にか機能が追加されていたりするので、そこで戸惑うことはあります。
常に最新状態のものが使えるのはありがたいのですが、UI も変わってしまうことがあるので、そのときは「いつも使っているメニューがない!」と焦りました。
運用管理上の手間で言えば、日々の監視が楽になったことはもちろん、計画停電の際にも問題なく稼働し続けてくれる点もメリットでしたね。
どういうことかと言いますと、弊社では年に3回から6回、電気設備の点検・整備のために、夜中に施設全体の電源を落とすことがあります。
この時、サーバー管理者は、夜間まで残ってサーバーを一度止め、翌日の早朝に出社して電源を入れ直すという行為が必要となります。弊社では数多くのサーバーを動かしているため、手間の掛かる作業なのですが、この手間が言わばゼロになりました。
これだけでも、AWSを導入して良かったと感じています。
確かな知識に基づいた実りのある打ち合わせ
━━ ターン・アンド・フロンティアに依頼して良かった点を教えてください。
AWSに関する「確かな知識」をお持ちな点と、それに基づいた「実りのある打ち合わせ」ができる点です。
AWSには数多くのサービスが存在し、また各サービスごとに様々な機能が搭載されていて、それらすべてを把握し、使いこなすことは、なかなか難しいものです。
その点、ターン・アンド・フロンティアさんは、AWSに関する専門的な知識をお持ちなので、「こんな機能がありますよ」、「このサービスはこういう意図です」など、分かりやすく教えていただけます。
またなにかあった際は、弊社までお越しいただき、実際のAWSの画面を見ながらお話させていただけるので、実りのある打ち合わせができるのも良かった点です。
それと、担当の方が変わることなく同じ方とずっとやり取りができているのも嬉しいですね。
会社によっては打ち合わせと実作業が別の方だったり、コロコロ担当が変わってしまうところもありますが、ターン・アンド・フロンティアさんでは、同じ方がずっと弊社の担当として付いてくれています。
長く時間が掛かるプロジェクトの時はもちろん、新たな案件が立ち上がった時も、弊社の状況を把握してくれているので、話が早いですし、安心感があります。
今後の展望について
━━ 京阪百貨店様の今後のクラウドにおける展望と、そのためにターン・アンド・フロンティアに期待することはなんですか?
情報基盤のAWSへの移行は、実はネットワーク上にネックがあって、まだ100%終わっていません。そのネックの部分がクリアになったので、100%に向けて移行を進めています。
また現在、開発環境のクラウド化も話を進めていて、その際は、ターン・アンド・フロンティアさんがお持ちの移行ツールを使わせていただく予定です。
その他、クラウドに持っていけるものがあれば、将来的には持っていきたいとも考えています。
情報基盤の移行にあたってのサポートや、開発環境の移行ツールでの手助け、その他のクラウド化のご提案など、今後もなにかとターン・アンド・フロンティアさんにはお世話になると思いますので、よろしくお願いします。
cloud link導入まとめ
- 機能とコストを兼ね備えた AWS
- 情報基盤(DWH+BIツール)としての柔軟性の高さが魅力
- 自社が保有するアカウントでもサポートしてくれる
- 高い技術力・知識を備えている安心感
確かな知識に基づいた 打ち合わせでクラウド化を 手厚くサポートいただけました
株式会社京阪百貨店
https://www.keihan-dept.co.jp