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AWS Graviton を利用するための How to use!

入社 3 年目のクラウドエンジニアのしんちゃんです。
本ブログでは AWS Graviton の選定基準 についてご紹介していきます。

コスト削減やパフォーマンス最適化で使用してみたい方もいらっしゃるのではないでしょうか

はじめに

AWSにおける「コスト削減」「高性能化」「環境負荷低減」の要件をすべて満たすキーテクノロジーが「 Graviton(グラビトン) 」です。

  • Gravitonインスタンスはどのような場面で有効か?
  • EC2 / ECS / RDS / Lambda 各サービスでの対応状況は?
  • Graviton4世代の最新状況は?

本記事では、Gravitonの基礎から最新の利用状況まで、体系的に解説します。

AWS Gravitonとは?

Gravitonは、AWSが自社開発した Armアーキテクチャベースのプロセッサ です。

特徴:

  • 最大 40% コスト削減
  • 最大 60% 電力効率向上
  • AWSサービスとの高い親和性

Graviton世代の進化

世代 リリース年 主な特徴
Graviton 2018 A1インスタンスに搭載。開発・学習向け
Graviton2 2019〜 商用水準に進化。多くのインスタンスで採用
Graviton3 2022〜 浮動小数点・ML・暗号処理が強化。25%高速化
Graviton4 2024〜 最大96コア・50%帯域増加。性能向上とスケーラビリティ強化

Graviton対応インスタンス一覧

(T系・M系・C系・R系・最新世代含む)※2025年7月時点

【EC2】仮想マシン

系列 インスタンスタイプ Graviton世代 主な用途
T系 t4g Graviton2 軽量用途・開発・検証
M系 m6g / m7g / m8g Graviton2 / 3 / 4 汎用アプリ・Web/APIサーバ
C系 c6g / c7g / c8g Graviton2 / 3 / 4 計算最適化:バッチ処理など
R系 r6g / r7g / r8g Graviton2 / 3 / 4 メモリ最適化:DB、分析等

※m8g、c8g、r8gはGraviton4搭載。最大96コア。

【ECS】コンテナ運用

  • EC2型(t4g, m6g/m7g/m8g, c6g/c7g/c8g, r6g〜)が使用可能
  • Fargate利用時: runtimePlatform.cpuArchitecture: ARM64 を指定するとGraviton2ベースで実行可能

【RDS】マネージドDB

系列 インスタンス名 Graviton世代 対応DB
T系 db.t4g Graviton2 MySQL / PostgreSQL / MariaDB
M系 db.m6g / db.m7g / db.m8g Graviton2 / 3 / 4 上記+Aurora対応
R系 db.r6g / db.r7g / db.r8g Graviton2 / 3 / 4 RDSメモリ最適化全般+Aurora

【Lambda】サーバレス関数

  • Lambdaの Arm64アーキテクチャランタイム はGraviton2ベース
  • 利用時にランタイムアーキテクチャを arm64 に指定可能
  • 最大約20%のコスト削減と高速化を実現
  • Node.js / Python / Java / Go / .NET など主要言語で対応済み

Graviton導入のメリット

項目 内容
コスト削減 最大40%。FargateやAurora、Lambdaでも安価に
性能向上 Graviton3で最大25%、Graviton4でさらに向上
環境効率 電力消費・CO2排出が最大60%削減

AWS Gravitonの選定基準ガイド

目的/用途 おすすめGravitonインスタンス例
開発・検証・PoC t4g、db.t4g
本番アプリ/API m6g / m7g / m8g、db.m6g〜m8g
計算処理やCPU集中バッチ c6g / c7g / c8g
インメモリDB、キャッシュ r6g / r7g / r8g、db.r6g〜r8g
サーバレス関数 Lambda arm64

利用や移行前のチェックポイント

  • OSやアプリが Arm64アーキテクチャ に対応しているか(例:Amazon Linux, Ubuntuなど)
  • アプリケーションが 再ビルドやクロスビルド を必要とするか(Go, Java, PythonなどはArm対応が進んでいる)
  • aws-graviton-getting-startedを確認して対応言語を確認する(https://github.com/aws/aws-graviton-getting-started)

利用方針について

・EC2/ECS

まずはOS/MW/アプリでarm64が対応しているか確認する

arm64で対応していないければx86を利用する

arm64で対応していればarm64を利用する

・RDS

エンジンが arm64が対応していたら利用する

・Lambda

言語がarm64で対応していたら利用する

まとめ

Gravitonは、AWSにおける次世代の標準プロセッサとなりつつあります。

  • 高性能かつ低コスト
  • Armへの移行負荷は年々低下
  • Graviton3 / Graviton4の登場で「性能面」でもx86に匹敵、または上回る

小規模な検証環境から、エンタープライズの本番システムまで、Gravitonの導入を前向きに検討する価値は大きいです。

是非ともリプレースや移行時に選定内容に含めてみてはいかがでしょうか?


元記事発行日: 2025年12月10日、最終更新日: 2025年12月09日