AWS Certified AI Practitioner を受検しました

★「AI」という言葉を聞かない日がない昨今、みなさんは業務でどの程度AIを使いこなせていますか?
私はターン・アンド・フロンティアで営業メンバーとして働いています。日々の業務において、提案書の作成やちょっとしたアイデア出しなどに生成AIを活用しており、「もうAIなしの生活には戻れないな」と感じるほどその恩恵を受けています。
しかし、営業としてお客様と対面する中で、ふと不安になることがありました。
「Amazon Bedrockって具体的にどう凄いの?」「SageMakerとの違いは?」「セキュリティや倫理面はどう担保されているの?」……。
普段使っている「便利ツールとしてのAI」の裏側にある、クラウドインフラとしてのAIサービスについて、私は果たして正しく理解できているだろうか、断片的な知識だけでお客様に価値を提案できていないのではないか……。
そんな思いから、今更ではありますが、2024年に新たにラインナップに加わったAWSの認定資格、AWS Certified AI Practitioner の受検を決意しました。今回は、非エンジニアの営業担当である私が、どのように学習し、合格を勝ち取ったのか、その全貌をご紹介します。

目次
AWS Certified AI Practitioner とは? 資格の概要と受検の背景
まず、今回受検した AWS Certified AI Practitioner(以下AIF) について簡単にご紹介します。
これはAWS認定資格の中でも「Foundational(基礎)」レベルに位置づけられる資格です。同じレベルでは AWS Certified Cloud Practitioner(クラウドプラクティショナー)があり、こちらがAWSサービス全般を広く浅くカバーするのに対し、AIFは「AI、機械学習(ML)、および生成AI」に特化しています。
なぜ今、この資格なのか
AWSのAI関連サービスは、ここ1〜2年で爆発的に進化しています。
サービス例:
- 基盤モデルをAPI経由で簡単に利用できる Amazon Bedrock
- 機械学習のフルサイクルをサポートする Amazon SageMaker
- 開発者の生産性を高める Amazon Q
これらのサービスは、もはやエンジニアだけのものではありません。私たち営業がお客様の課題をヒアリングし、「その課題、生成AIで解決できるかもしれません」と提案するための共通言語として、これらの知識が不可欠になっているのです。
私は以前、AWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)を取得しましたが、当時はまだ生成AIがこれほどメインストリームではなく、生成AIに関する問題は多くは出題されていなかったと記憶しています。今回の受検は、最新のトレンドをキャッチアップし、自身の知識を「2026年仕様」にアップデートするための挑戦でもありました。
資格がカバーする範囲
試験範囲は他の試験に比べるとやや特徴的で、単に「どのサービスが何をするか」という暗記だけではなく、以下のような概念的な理解も問われます。
- AI/MLの基礎概念:回帰、分類、クラスタリングの違い。
- 生成AIの仕組み:トークン化、温度パラメータ、ハルシネーション(幻覚)の抑制。
- 責任あるAI(Responsible AI):バイアスの排除や倫理的な利用。
- コスト最適化:推論コストの考え方や、プロンプトエンジニアリングによる効率化。
AWSサービスについて前段階、つまりそもそもAIとは、MLとはというところは特に馴染みがなかった(ユーザーとして気にしていなかった)部分で最初は分からないことだらけでした。
AWS Certified AI Practitioner の学習方法:Udemyと公式ドキュメントの活用
次に、具体的な勉強法についてお話しします。私はAWSのような資格勉強を行う際にはよく Udemyの模擬問題集を活用しています。受験者の多い資格に関しては、教材の候補も多くて重宝します(Specialty資格になると少し充実度に欠けるかなと思っています)。AIFは初級レベルであるということから受験者が多く、そこそこ教材が充実していたように感じます。
1. Udemyによる徹底的な問題演習
最も効果的だったのは、Udemyで提供されているAIFの模擬問題集です。実際の試験形式に近い問題を繰り返し解くことで、自分の弱点を可視化しました。最初は正答率40%程度で「これ、本当に受かるのか?」と冷や汗をかきましたが、間違えた箇所の解説を熟読し、なぜそのサービスが最適解なのかを論理的に理解することに努めました。
2. AWS公式「Skill Builder」の活用
過去のブログでも紹介した「AWS Skill Builder」には、AIF向けの無料デジタルトレーニングが用意されています。
テキストベースのものや講義形式のものなどがあり、内容もわかりやすくまとまっています。
3. 公式ドキュメント(AWS Whitepapers)の読み込み
特に「責任あるAI(Responsible AI)」や「データプライバシー」のセクションについては、AWSのホワイトペーパーを読み込みました。
生成AI導入においてお客様が最も気にされるのは、「入力したデータがモデルの学習に使われてしまわないか?」という点です。Amazon Bedrockにおけるデータの扱い(デフォルトでは学習に使用されない等)を正確に理解することは、試験対策だけでなく実務(商談)における信頼獲得に直結します。
なお、今回は実際にAWSコンソールからサービスを触ってみるということはしていません。以前別のサービスを触ってみた際に、想定を大きく上回る利用料が発生したこともあり、まずは座学で『どこにコストがかかるか』を把握し、安全性を確認してから触りたいと思っていました。しかし、学習計画をうまく立てることができず、結局触らずじまいとなりました。実際に触ってみると理解が一層進むのではないかと想います。

AWS Certified AI Practitioner 試験当日の手応えと合格のポイント
いよいよ試験当日。私はテストセンターでの受検を選びました。
直前まで模擬問題集で苦手分野を復習し、満を持して本番を迎えました。
試験の内容と傾向
「あなたは人事記録をPDF化し、それを基に人事情報システムを構築しています。人事記録のデジタル化を実施する際には、どのようなAWSサービスを利用すると良いでしょうか。」といった問いが出て、選択肢を下記のうちから選択します。
- PDFやスキャンされた文章などからテキストや構造化データを抽出 → Amazon Textract
- 音声データをテキストに変換する → Amazon Transcribe
- テキスト化されたデータを分析して有益なインサイトを得る → Amazon Comprehend
- テキストを自然な音声に変換する → Amazon Polly
この問題は「Amazon Textract」が正解ですね。
一見するとソースデータが同じでも、用途によって利用するサービスが異なります。AWSサービスは、その名称からなんとなく用途が判断できるものと、全く分からないものがあり、このあたりは地道に覚えていくしかないですね。
苦戦したポイント:用語の微細な違い
「F1スコア」「精度(Precision)」「再現率(Recall)」といった機械学習特有の評価指標の問題には苦戦しました。営業の立場では普段あまり意識しない指標ですが、「モデルの良し悪しをどう判断するか」という観点では非常に重要です。
しかし、Udemyでの反復練習のおかげで、消去法を駆使しながらなんとか正解を導き出すことができました。
合格発表の瞬間
見直し含めて20分程で回答を終え、試験を終了しました。無事合格でした。Foudationalレベルはその場で合否が分かる点がいいですね(スコアは5営業日以内に登録したメールアドレスへ送られます)。
合格して得られたのは、単なるデジタルバッジだけではありません。「AWSのAIサービスについて、基礎から最新トレンドまで網羅的に理解している」という自信です。これにより、お客様との会話においても、より具体的で説得力のあるお話ができるようになったのではないかと思います。

AWS Certified AI Practitioner 合格後の気づき:営業こそ体系的な知識が必要な理由
合格した今、改めて振り返ってみると、この AWS Certified AI Practitioner という資格は、エンジニア以上に「営業やビジネスサイドの人間にこそ価値がある」と感じています。
1. 「魔法の杖」ではないことを正しく伝えられる
生成AIは万能な魔法ではありません。ハルシネーションが生じたり、あるいはコストが想定外に膨らんでしまったりする可能性もあります。
これら生成AIサービス利用上の懸念点は、体系的に学ぶことである程度払拭することができると思います。
2. リスク管理とガバナンスの重要性
特に「AIを使いたいけれど、情報漏えいが怖い」というお客様は非常に多いです。
試験勉強を通じて、AWSがどのようにデータを保護し、どのようなガバナンスツール(Amazon Bedrock Guardrailsなど)を提供しているかを詳細に学びました。これにより、「安全にAIを導入するための設計図」をお客様に示せるようになったのは大きな収穫です。
AWS Certified AI Practitioner を受けてみて(まとめ)
今回、 AWS Certified AI Practitioner に挑戦し、無事に合格することができました。身につけた知識を基に、お客様へより良い提案ができるようにしていきたいと思います。

最も痛感したのは、「知っていること」と「実際に安定したシステムを構築・運用できること」の間には、大きな壁があるということです。
試験に出るような標準的な構成なら理解できます。しかし、実際のビジネス現場では、既存のオンプレミス環境との接続、複雑な権限管理、リアルタイムでのデータ連携、そして日々アップデートされる新機能への追従など、考慮すべき「固有要因」が山積みです。
これらの要因を全てクリアにし、生成AIの活用方法を確立するのは、決して日常業務の片手間にできるものはありません。私たちは、AIの可能性をビジネスに取り込んでいきたいという想いをお持ちの皆様をインフラの観点からサポートし、伴走していきたいと考えています。
弊社では、上記の「伴走していきたい」という想いを体現すべく、AWSの豊富な知見を持つエンジニアがお客様のAWSインフラを全面的にサポートする「cloud link」を提供しております。
生成AIの活用に限らず、AWSの導入や運用面にお悩みをお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。

元記事発行日: 2026年03月25日、最終更新日: 2026年03月11日














