AWS運用が更に便利に!大阪リージョン活用メリットご紹介
2021年3月2日にAWSの大阪リージョンが開設されました!私たちは大阪を拠点に活動しているパートナーなので待望の大阪リージョン開設です。
本ブログでは、そもそも「リージョン」や「アベイラビリティゾーン(AZ)」のおさらいと大阪リージョンが利用できるようになったことで何が便利になったのか、何が皆さんにとって嬉しいのかという点について解説していきます!
動画もご用意しているので、ぜひご視聴ください。
目次
AWS運用の基礎 リージョンとは
まずは、そもそも”リージョン”とは何かをおさらいしていきましょう。
リージョンというのはAWSがデータセンターを置いている世界中の物理的ロケーションのことです。
東京リージョンが10年前(2011年)に開設されてこれまで、日本国内のAWSリージョンで使用できるのは東京リージョンのみという状態でした。他にもシンガポールのリージョンだったり、バージニアのリージョンなど世界中にデータセンターがあります。
実は大阪は「ローカルリージョン」という形で2018年3月15日に開設され、これまでも使用することができました。ただし、ローカルリージョンは通常のリージョンの考え方とは少し異なっていて誰でも自由に使えるリージョンではありませんでした。
【ローカルリージョンだった時の制約】
- 大阪リージョンのみの利用はできない
- 「アベイラビリティゾーン(AZ)」が1つ
- 大阪リージョンの利用には「事前の申し込みと審査」が必要
- 提供される Amazon EC2 はリザーブドインスタンスとスポットインスタンスで、オンデマンドインスタンスは提供されない
- 提供サービスは、例えば東京リージョンで提供されているものに比べると少ない
( Amazon EC2 、 Amazon S3 、 Amazon RDS などのサービスが中心)
AWSへ正式に申請をして審査に通った限られた方のみが使えるリージョン
という扱いだったのですね。
それが今回の大阪リージョンの開設によって、
「他のリージョンのように誰でも自由に利用できる大阪のデータセンターができた!」
ということになります。
AWS運用の基礎 アベイラビリティゾーン(AZ)とは
今回開設された新しい大阪リージョンは、3つのアベイラビリティゾーン(AZ)を使うことができます。
ここでアベイラビリティゾーン(AZ)のおさらいをしておきましょう。
アベイラビリティゾーン(AZ)とは、「AWSの各リージョンに存在するデータセンターの集合体」のことです。
東京リージョンでは今4つのアベイラビリティゾーン(AZ)があります。サービスを利用するときに、この4つのデータセンター群の中から好きな場所を選ぶことができる、ということになります。
アベイラビリティーゾーン(AZ)は必ず一箇所以上のデータセンターで構成されていて、それぞれのアベイラビリティーゾーン(AZ)が影響を受けないような構成になっています。例えば、同じ災害の影響を受けないよう、そもそも物理的に離れている場所に存在し、どのアベイラビリティーゾーン(AZ)も地盤が安定している場所に作られていたりというようなアベイラビリティーゾーン(AZ)の条件があります。
さらにアベイラビリティーゾーン(AZ)間は低遅延の高速な専用線でAWS内で接続されています。
なので今まではDRやBCPなど災害対策を国内で構築する場合には、東京リージョンの中で異なるアベイラビリティーゾーン(AZ)にサーバーを立てて同期させて使用することで、可用性を高める、というのが一般的な考え方でした。
大阪ローカルリージョンだった時代はこのアベイラビリティーゾーン(AZ)が1つしかなかったんですが、今回大阪リージョンとして発表されてアベイラビリティーゾーン(AZ)が3つになったということは大きな特長です。
AWS運用が更に便利に! 大阪リージョンで使えるサービスは?
さて、ここまでリージョンとアベイラビリティーゾーン(AZ)のおさらいをしてきました。
そこで皆さん気になるのが「大阪リージョンって東京リージョンと同じように使えるの?」という点だと思います。
基本的なサービスは大阪リージョンでも続々と利用できるようになっています。例えば EC2 、S3 、RDS など。
大阪リージョンが開設されてもうすぐ3ヶ月になろうとしていますが、毎週のように対応サービスが増えていってるのが印象的です。アップデートの早さはさすがAWSですね!
ただ細かい機能では大阪リージョンではまだ使えない、というケースもあるので、大阪リージョンを使おう!と思った場合は、まずは検証からスタートしていただくのがおすすめです。
AWS運用が更に便利に! 大阪リージョンはどんな方にとって嬉しいの?
では大阪リージョンがどんな方におすすめなのか、2つのポイントに分けてお話をします。
1つ目は関西で業務をされる方で、「とにかく低レイテンシーでサービスを利用したい」というケースです。
クラウドサービスはどうしても物理的に離れてる場所にサーバーがあるので、社内ですぐ近くにサーバーが置いている時と比べると多少の距離遅延が発生してしまいます。
その遅延は一般的なシステムであれば、普通に業務をしていて気になるレベルではないことが圧倒的に多いです。
ただし、とにかく重たい処理をするようなシステムなので少しでも距離遅延はなくしたい!というような企業様にとってはこの少しの距離遅延は大きな課題になることもありました。
このような理由でこれまで東京リージョンの利用を諦めてきた企業様にとっては、大阪リージョンを利用することでそのお悩みが解決できるかもしれません!
AWSのメリットは利用した分だけの課金になることなので、まずはサーバを1台大阪リージョンに構築してみて、低レイテンシーを体感いただくのがおすすめです♪
2つ目は国内でも災害対策の構成(ディザスタリカバリ)が設計できるということです。
もし、東京が大災害で全てのデータセンターが使えなくなったとしてもサービスは継続させなければいけない、というような要件がある場合、これまでは東京リージョンと海外のリージョンを組み合わせて災害対策を実施する必要がありました。
ただしお客様の要件によっては、海外ではなく日本国内で災害対策を組まなければならないケースも多くあり、AWSでは実現が難しいためクラウドへの移行は諦める...というようなケースも何度か経験してきました。(涙)
大阪リージョンの開設によって、このようなケースでも東京リージョンと大阪リージョンを組み合わせて日本国内での災害対策を実現できるようになったのは重要なポイントです!
AWS運用が更に便利に! 大阪リージョン活用 まとめ
いかがでしたでしょうか。
大阪リージョン、使ってみたくなりましたよね??
AWSの営業を8年間してきて「これって大阪では使えないの?」と質問いただいたり、大阪にリージョンがないことでAWSが選択肢から外れてしまうケースもたくさん見てきました。
今回の大阪リージョン開設によって、これまでAWSの利用を諦めてきた皆さんにもAWSを活用して課題解決できるチャンスが増えるということはとても嬉しく感じています。
これから更にサービスアップデートされて、普及していくのがとても楽しみです^^
実際にどうやって使い始めたらいいのかわからない、災害対策のベストな構成を知りたい、という方はぜひターン・アンド・フロンティアまでお問い合わせください!
元記事発行日: 2021年09月09日、最終更新日: 2023年03月28日