AWS運用の心強いサポーター「AWSサポート」
AWSを使い始めてしばらく経ち、「AWSのこのサービスをもっと知りたいんだけど、質問する先がない」「プロジェクトの推進に力を入れたいけど、技術面の検討と計画で手が回らない」と思い始めた方向けに、本ブログでは、そんな時に心強いサポーターになってくれる「AWSサポート」をご紹介いたします。
目次
AWSサポートってどんなもの?
「AWSサポート」の存在は知っていたけど、有料のサポートというくらいの認識でしかいなかった方も多いはず。そこで、AWSサポートが具体的に何をしてくれるサポートなのか、下図をご覧いただければと思います。
有料プランである「開発者サポートプラン〜エンタープライズサポートプラン」は、技術に関するQ&Aや料金に関するQ&Aなど、対応してもらえる内容は同じですが、ご覧の通り、各プランによってサービス提供時間や方法が大きく変わってきます。
開発フェーズのみ問い合わせをしたい場合は「開発者サポートプラン」、開発後のサービスインでもAWSサポートを受けたい場合は、「ビジネスサポートプラン」からの加入をお勧めいたします。
また、費用は高額になりますが、専任のテクニカルアカウントマネージャー(TAM)が必要な場合は、「エンタープライズサポートプラン」への加入で「ビジネスサポートプラン」より手厚いサービスを受けることが可能となります。
<AWSサポートプラン比較参考URL>
https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/plans/
AWSサポートの料金はどれくらいかかるの?
AWSサポートの各プラン別料金
プラン | 開発者 | ビジネス | エンタープライズ |
料金 | 29USD または 月額のAWS利用料金の3% のうち高い方 | 100.00USD または 月額のAWS利用料金の以下①〜④の金額に応じて算出したものの合計の いずれか高い方 ①最初の0〜10,000USDに対し10% ②10,000〜80,000USDに対し7% ③80,000〜250,000USDに対し5% ④250,000USDを超える分に対して3% | 15,000USD または 月額のAWS利用料金の以下①〜④の金額に応じて算出したものの合計の いずれか高い方 ①最初の0〜150,000USDに対し10% ②150,000〜500,000USDに対し7% ③500,000〜1,000,000USDに対し5% ④1,000,000USDを超える分に対して3% |
各プランの料金は決して安いものではございませんが、AWS運用で困った時にいざという時の問い合わせ窓口があるというのはとても安心材料となりますので、一度はご検討いただくのも良いかもしれません。
※料金は1ヶ月単位で発生するため、日割り計算などはされませんのでご注意ください。
より詳しい計算方法については、下記URLをご確認ください。
<AWSサポートのプラン料金参照URL>
https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/pricing/
AWSサポートへのお問い合わせフローは?
問い合わせの作成(起票)
下記起票は、ビジネスサポートプランを想定しております。
- コンソール画面の上部にある黒い帯のメニューバー右端の「▼サポート」をクリック
- プルダウンから「サポートセンター」をクリック
- 「Create case」をクリックして、問い合わせ(起票作成)スタート!
- 問い合わせのジャンルを「アカウント及び請求サポート」「サービス制限の緩和」「技術サポート」から選択
- 問い合わせたい内容のサービス、カテゴリ、緊急度を選択し、問い合わせ内容の説明、画像の添付などの項目を入力。
- AWSサポートと連絡をとる方法を「Web(メール)」「チャット」「電話」から選択し、最後に「送信」をクリックして問い合わせ完了!
- 問い合わせた履歴は下図のような一覧で見ることができます。
サポートケースの起票のポイント!
以下のような内容を記載すると問い合わせがスムーズです。
- 事象が発生した時間帯、タイムゾーン
- 何で困っているのか、その背景
- 課題が出た際の作業内容(手順・コード)
- 対象のリージョン、インスタンスID、RDS名などの調査対象のリソース情報
- エラーログやメッセージ
- エラー画面のスクリーンショット
AWSサポートの応答提供時間は?
AWSサポートでは、緊急度と初回応答目標時間をもとに、下図のようなプライオリティで対応しています。
緊急度 | 初回応答目標時間 | 定義 | エンタープライズ | ビジネス | 開発者 |
非常事態 | 15分 | お客様のビジネスが危機的な状況にさらされている。お客様のアプリケーションの最重要な機能が利用できない状況が発生している。 | ✓ | ||
発生中の障害(ビジネスへの影響大) | 1時間 | お客様のビジネスに重大な影響を与えている。お客様のアプリケーションの重要な機能が利用できない状況が発生している。 | ✓ | ✓ | |
発生中の障害 | 4時間 | お客様のアプリケーションの重要な機能が正常に動作しない、もしくは機能低下が発生している。 | ✓ | ✓ | |
障害/開発中の急ぎの問い合わせ | 12時間 | お客様のアプリケーションにとって致命的ではない機能上の問題、時間的に制約のある開発のお問い合わせ。 | ✓ | ✓ | ✓ |
通常の問い合わせ/機能要望 | 1日 | 一般的な開発に関するお問い合わせ、機能に関するご要望。 | ✓ | ✓ | ✓ |
AWSサポートの提供内容の対象
◯対象
- AWSサービスや機能に関する問題解決支援
- AWSサービスや機能のご利用方法に関するQ&A
- AWSサービスや機能、運用に関するベストプラクティスのご案内(個別機能及びインテグレーション)
- Trusted Advisor などを利用したサービス効率化支援
- サードパーティー、アプリケーションのサポート(ビジネスプラン以上)
◯対象外
- お客様のアプリケーションの開発及びお客様作成のプログラムのデバッグ
- お客様のシステム管理、運用、保守の代行
※AWSサポートは、お客様の EC2 インスタンスへのログインは行いません
AWSサポートに問い合わせをするとどんな回答が返ってくるの?
日常的にAWSを運用されていて、「この接続がなぜかうまく行かない」「このエラーはなぜ出ているの?」など、壁にぶち当たることがよくあるかと思います。
そんな時に「やっぱり加入しておいた方が良かったな〜」と感じて、AWSサポートへの加入を検討されるでしょう。
では、実際にAWSサポートに問い合わせた場合のAWSサポートの回答例をご紹介します。
ケース1(問い合わせ方法メール)
ケース2(問い合わせ方法メール)
チャットの場合は、ブラウザ上でAWSサポートとやり取りをしますが、お問い合わせ内容が解決・完了した場合は、サマリをメールで送ってくれるので、とても助かりますね。
このように、AWSサポートでは「Web(メール)」「チャット」「電話」という3つの問い合わせ方法から、お客様の緊急度やご状況に応じて、問い合わせ方法を選択できるのも良いところですね。
Trusted Advisor って何ができるの?
AWSサポートの支援の中で Trusted Advisor のベストプラクティスチェック(開発者のみ7コアチェック、それ以外はフルセットのチェック)を受けることができるとプラン比較ページに書かれていますが、その Trusted Advisor とは何ができるサービスなのかをご説明いたします。
Trusted Advisor は、ご利用中のAWS環境を下記カテゴリ毎に合計106個のチェック項目を分析し、ベストプラクティスに基づく下図のような推奨アクションを提供します。
マークの意味:
アクションを推奨調査を推奨問題は検出されていない
Trusted Advisor の5カテゴリのチェックリストのチェック例
1. コスト最適化
- 低使用率の EC2 インスタンス
- 低使用率の EBS ボリューム
- アイドル状態の RDS インスタンス
- 関連づけられていない Elastic IP アドレス
2. パフォーマンス
- 高使用率の EC2 インスタンス
- EC2 セキュリティグループのルール数の過多
- Route 53 エイリアスリソースレコードセット
- CloudFront コンテンツ配信の最適化
3. セキュリティ
- セキュリティグループ - 無制限アクセス
- IAM の使用状況
- S3 バケットのアクセス許可
- CloudTrail のログ記録
4. 耐障害性
- ロードバランサーの最適化
- Auto Scaling グループのヘルスチェック
- RDS のバックアップ
- S3 バケットのバージョン管理
5. サービスの制限
- サービスの使用量がサービス制限の80%を超えていないかをチェックします。このチェックはスナップショットを取得した特定のタイミングで実施されるため、現時点での使用量と異なる場合があります。
詳しいチェックリストは下記URLよりご確認いただけます。
https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/technology/trusted-advisor/best-practice-checklist/
AWSサポート加入前の最終判断!
AWSサポートに加入をご検討の場合、まずAWSサポートが必要かどうか、どれから加入しようかを検討されるかと思います。
判断材料として、日常的に社内や個人でAWSを操作していて、行き詰まり、長時間ネットでリサーチして、時間だけが過ぎていってやりたい作業がなかなか進まないという状況がよくある方には、ぜひ加入されることをおすすめいたします。躓いていた箇所がAWSサポートに問い合わせることでスムーズに解決できることもあるかと思いますので、ぜひ「開発者サポートプラン」または「ビジネスサポートプラン」からの加入をご検討ください。
AWSサポート「エンタープライズ」のサービスレベルを短期間で利用したい!
最初から「エンタープライズ」を利用するのはハードルが高いといった場合は、「ビジネス」に加入されてから追加料金を払ってIEMをご利用されることもひとつの手です。
インフラストラクチャイベント管理(IEM)
IEMでは、AWSのエキスパートがお客様とともに、成功の基準と期待されるビジネスの結果がどのようなものかを把握し、焦点を絞ったエンゲージメントを主導します。計画的かつ段階的なアプローチを用いて、計画したアーキテクチャと運用に関するサポートを提供します。
お客様は計画や検証・運用など多岐に渡る作業を一人で抱えることなく、お客様のプロジェクトの計画に集中することができます。
詳しくは下記URLをご確認ください。
https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/programs/iem/
運用を丸投げしたいなら、AWSに関するサポートと運用・監視がセットになった cloud link がおすすめ!
「AWSの技術的な相談だけじゃなくて、普段の運用面でもサポートして欲しい!」という方には、弊社の cloud link がおすすめです。
AWS認定資格を保有するエンジニアが、技術Q&Aにお答えするだけでなく、ファイアウォールや各種AWSサービスの設定作業もお客様に代わって実施します。
さらに、ご契約いただいたサーバーは弊社エンジニアが24時間365日監視するので運用開始後も安心。異常があれば電話やメールでご連絡し、定型的な障害については復旧作業まで試みます。
初めてクラウドサービスをご利用になる方はもちろん、AWSをご利用中のお客様も、安心してAWSをご利用されたい方は、ぜひお気軽に弊社までお問い合わせください。
参考
元記事発行日: 2022年05月16日、最終更新日: 2024年02月28日