適切な AWS サポートプランを選択してコスト削減
何かあった時に心強い AWS サポート、他クラウドサービスと比べても AWS サポートの品質はとても高く私もよく利用します。
サポート品質を考えるとサポート費用は割安ですが、場合によってはリソースにかかる費用より高額になってしまう場合もあります。
今回はサポート費用削減のため、Basic、Developer、Businessサポートプランで主に比較される項目の違いや仕様をご紹介します。
目次
AWS サポートプランによって提供されていない項目
サポートプランによってそもそも提供されていないものがあります。もし利用を考えている項目があれば、提供されているサポートプランにする必要があります。
【技術サポート】
まずは技術サポートの有無です。請求やアカウントのサポートは全プランが対応していますが、EC2 や S3 等、サービス関連の技術的な問い合わせをしたい場合は Basic プランでは問い合わせすることができません。
そのため Developer または Business プランを選択する必要があります。
【サードパーティ製ソフトのサポート】
責任共有モデルの関係上、ソフトウェアについてユーザー側に責任がありますが、下記製品等は AWS サポートから支援を受けられる場合があります。
EC2 インスタンスのオペレーティングシステム
- Ubuntu Linux および Debian
- Red Hat Enterprise Linux、Fedora、Fedora CoreOS
- SUSE Linux(SLES および openSUSE)
- CentOS Linux
- Microsoft Windows Server 2016
- Microsoft Windows Server 2019
- Microsoft Windows Server 2022
インフラストラクチャコンポーネント
- Sendmail および Postfix MTA
- OpenVPN および RRAS
- SSH、SFTP、および FTP
- LVM および Software RAID
ウェブサーバー
- Apache
- IIS
- Nginx
データベース
- MySQL
- Microsoft SQL Server
- PostgreSQL
- Oracle
このサポートを受ける場合 Business プランを選択する必要があります。
【AWS Health API の利用可否】
AWS の障害情報やメンテナンス通知が確認できる AWS Health の API が利用できるかどうかは AWS サポートプランに依存します。もし社内システムで利用しているにもかかわらず、AWS サポートに問い合わせることは無いからとプランをダウングレードさせると影響があるため注意が必要です。
API を利用するには Business プランを選択する必要があります。
※ AWS マネジメントコンソール上で確認できる AWS Health Dashboard は全プランで利用可能です。
【Slack と AWS サポートの連携】
Slack と AWS サポートを連携することで Slack から問い合わせや検索等が可能になります。
AWS マネジメントコンソールから問い合わせることが出来るため、必須ではありませんが連携して運用している場合は注意が必要です。またサポート履歴の保存期間は24ヶ月なので、保存目的で Slack 連携している場合も注意が必要です。
Slack 連携するには Business プランを選択する必要があります。
AWS サポートプランによって品質が異なる項目
サポートプランによって提供品質が異なる項目があります。
要求する品質が満たすことができないプランでは利用する価値が低くなるため、適切なプランを選択する必要があります。
【選択できる緊急度と初回応答時間】
単純な仕様確認は急ぐケースは少ないですが、業務影響があるシステム障害時に AWS サポートと足並みが揃わないと復旧に時間がかかります。
各プランで選択できる緊急度と初回応答時間は以下のとおりです。
Basic | Developer | Business |
一般的なガイダンス:24時間 | 一般的なガイダンス:24営業時間 システム障害:12営業時間 | 一般的なガイダンス:24時間 システム障害:12時間 本番システムの障害:4時間 本番システムのダウン:1時間 |
【問い合わせ方法】
AWS サポートの基本はウェブ問い合わせで件名・本文を必要としますが、ウェブ以外での問い合わせも可能です。
各プランで選択できる問い合わせ方法は以下のとおりです。
Basic | Developer | Business |
ウェブのみ ※技術サポート問い合わせ不可 | ウェブのみ | ウェブ チャット 電話 ※チャット、電話は平日の 09:00~18:00 (JST) のみ利用可能 |
電話、チャットを選択する基準として AWS では下記のように提示されています。
以下のような場合は、電話や Chat をご活用ください。
-複雑な状況において、AWS との問題認識に差異が生じていないか確認をしたい場合
-Web で書き切れない情報を補足したい場合
-どのような情報を提供してよいか分からない場合、等
なお、サポートエンジニアが電話での会話をご提案することもあります。
【アーキテクチャサポート】
自分の中で問題が切り分けられない場合、できる限り自社のユースケースを理解してやり取りして欲しくなると思いますが、そのあたりもプランによって異なります。
各プランでサポートしている範囲は以下のとおりです。
Basic | Developer | Business |
なし ※技術サポート問い合わせ不可 | 一般的なガイダンス - すべての AWS 製品、機能、およびサービスの使い方をご案内します。これには、ベストプラクティスと一般的なアーキテクチャの助言に関するガイダンスが含まれています。 | お客様のユースケースに基づくコンテキストガイダンス - お客様のユースケースを最適にサポートするには、どの AWS 製品、機能、およびサービスを使用すればよいかをご案内します。これには、AWS 製品の最適化および特定ニーズを満たすための構成に関するガイダンスが含まれています。 |
【AWS Trusted Advisor のチェック項目数】
AWS のベストプラクティスにあわせてセキュリティ、コスト最適化、耐障害性等をチェックできるAWS Trusted Advisor ですが、こちらもサポートプランによってチェックできる項目数が異なります。
各プランでのチェック数は以下のとおりです。
Basic | Developer | Business |
一部項目(57項目)のみチェック可能 | 一部項目(57項目)のみチェック可能 | 全項目(271項目)チェック可能 |
※2024年10月1日現在
AWS サポートプラン変更に伴う制限
必要な時にリソースを作成し、不要になったら削除するというのがクラウドのメリットですが、サポートプランについては一部制限があります。
【Basic から Developer また はBusiness へ変更】
この変更には制限はありません。
【Developer または Business に変更後、30日以内に Basic へ変更】
Basic 以外のプランは30日以上利用する必要があり、それよりも早く Basic に戻すことはできません。
【Developer に変更後、30日未満に Business へ変更】
Developer から Business への変更に制限はなく、即時変更が可能です。
【Business に変更後、30日未満に Developer へ変更】
先ほどと同じく変更可能ですが、AWS サポートへ変更依頼をする必要があります。
AWS サポートプラン比較(まとめ)
本ブログでは、AWS サポートプランで主に比較される項目の違いや仕様をご紹介いたしました。
ターン・アンド・フロンティアでも AWS をご利用されているお客様に技術的なご支援が可能ですので、 AWS にご興味のある方は お問い合わせフォーム よりお気軽にご相談ください。
元記事発行日: 2024年10月16日、最終更新日: 2024年10月16日