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AWS運用 機械学習の入門

機械学習というフレーズを耳にする機会は多くなりつつありますが、まだ馴染みがない方が多いのではないでしょうか。今回はAWS運用にも役立つ機械学習の入門編として、re:invent 2020 で紹介されたアップデートを交えながら、実際のユースケースをAWSサービスと共にご紹介していきたいと思います。

AWS運用 機械学習とは?

機械学習では主に手作業の自動化蓄積されたデータの活用の2つに大別されます。

手作業の自動化では収集されたデータを読み込んでデータの判別、タグ付けなどの仕分け作業を自動で行ってくれます。データを読み込んで判断してアウトプットするという一連の流れになります。

仕分けられたデータを元に分析して事業に役立てていく、というのが機械学習の主な目的になります

AWS運用 機械学習のユースケース

re:invent 2020では機械学習の導入事例が紹介されましたが、その中の事例のひとつとして小売店舗のユースケースが紹介されていました。遠い世界にあるように感じていた機械学習が意外と身近なところで使われていた事が面白いなと思いましたので紹介させていただきます。

小売店舗における自動化の例としては以下のようなものが挙げられます。

  • 来店顧客のデモグラフィック(年齢、性別)の取得
  • 来店顧客のカウント
  • 顧客の識別(VIP対応など)
  • 顧客の動線の抽出

まず、機械学習向けに作られたカメラで、防犯カメラのように店内の情報を取得し、次にカメラの映像データから上記のような目的に沿ってデータを仕分けします。データの仕分けには後述する画像、動画分析サービスである Amazon Rekognition を使用します。

このようにして仕分けられたデータを元にした小売店舗におけるデータ活用の例には以下のようなものが挙げられます。

  • 顧客の属性から商品レイアウトに反映
  • 混雑エリアを特定して店舗レイアウトに反映
  • 混雑状況の予測からスタッフの配置に反映

機械学習を使うことで、顔情報や店舗状況のデータを元に、来店顧客の属性に合わせた商品展開、店舗レイアウトや人員配置にデータを活用することが可能になりました。

データ活用に重要な可視化と予測には以下の AWSサービスを利用することができます。

  • データの可視化・・・ Amazon QuickSight
  • 未来のデータ予測・・・ Amazon Forecast

AWS運用 Amazon Rekognition

Amazon Rekognition は画像、動画分析サービスです。顔の検索と認証の機能では表情や年齢層も認識が可能です。顔情報のDBを作成して、来店時に照合することも可能なので、重要顧客や特定の対応が必要な人が来店された時に早く適切な対応を実現することができます。

Amazon Rekognition の特徴としては他にも以下の点があげられます。

  • ラベル付け・・・写真や動画内の何千もの対象物体(自転車、電話、ビルなど)とシーン(駐車場、ビーチ、都市など)を特定してラベル付けをすることでができます。ラベル情報を元に検索やフィルタリングをかけることなどができます。
  • テキスト検出・・・写真や動画内のテキスト情報を認識して取得することができます。道路標識、製品パッケージのテキストなどの情報を取得できます。
  • コンテンツの節度・・・暴力的な物やアダルトコンテンツを検出することができます。子供に見せたくないコンテンツかどうかをフィルタすることができます。

AWS運用 Amazon QuickSight

Amazon QuickSight はBIツールです。データは数値データのままだと人間が見ても分かりにくい事も多く活用しづらいケースも多いです。Amazon QuickSight ではデータをグラフや表など人が見やすい形にデータを整えてくれるので、データ活用する助けになってくれることがあります。

機械学習ベースで自動予測や異常検知をしてくれる ML Insights という機能や自動レポート機能で本来は利用者側のタスクである事が多いビジネス・インサイトもサポートしてくれるため、初めてのBIツールとして導入しやすいのではないでしょうか。

課金上限があるため使いすぎて費用が高額になりすぎないのも安心ですね。

AWS運用 Amazon Forecast

Amazon Forecast は時系列データ予測に活用できるサービスです。現在取得しているデータを元に未来を予想します。例えば小売店舗の場合、今週の来店顧客数の実績から来週の来店顧客数を予測して仕入数やシフト調整などに活用することができます。

天気やイベントの有無など、補足情報を組み合わせてより精度を高めることもできます。

他のユースケースとしては以下の事例が挙げられます。

  • サプライチェーンの計画・・・製造に必要な商品の量、サービス、またはその他の入力を予測します。
  • リソース計画・・・人員、広告、エネルギー消費、およびサーバー容量に関する要件を予測します。
  • 運用計画・・・ウェブトラフィックのレベル、AWS の使用状況、およびIoTセンサーの使用状況を予測します。

可視化結果は予測値、予測値の上限、予測値の下限の3つの予測モデルで表されます。重要な点としては、あくまで予測結果のため、最終的な意思決定は人間が行います。

AWS運用 Amazon QuickSight Q

Amazon QuickSight Q は re:invent 2020 で発表された新サービスです。

QuickSight の今までの問題点として意図したデータ可視化ができないケースがありました。

Amazon QuickSight Q では日常言語で質問すると、質問内容に沿ったデータを可視化してくれるため、今まで使いづらさを感じていた方などにも活用しやすい人に優しいサービスです。

従来は見たい項目毎にダッシュボードを作成する必要があったため、経営陣からの用意されていない項目に対しての質問にリアルタイムで答えなくてはならないような場面などへの対応が難しい事もありましたが、今回のアップデートでそのようなシーンも解決してくれることが期待できます。

AWS運用 Amazon SageMaker

機械学習の実行環境として Python の言語がよく使われます。Python には機械学習に便利なライブラリが多く用意されているというのがその理由で、数値計算を行うための NumPy やテーブルデータを扱うための Pandas といったライブラリなどがあります。

また、実際の開発ではブラウザ上で Python のコードを書いたり実行することができる Jupyter Notebook というWebアプリケーションを使うことが多くあります。Jupyter Notebook を利用するには端末に Python や Jupyter Notebook をインストールする必要があり手間なのですが、Amazon SageMaker ではGUIで数クリックをするだけで Jupyter Notebook を利用する環境を作成することができます。

AWS運用 Amazon SageMaker JumpStart

Amazon SageMaker JumpStart というサービスアップデートが行われました。

SageMaker JumpStart は本来注力したい機械学習業務に集中できるように、従来よりインフラサイドの知識がなくても構成を管理できるサービスです。不正検出、予知保全、需要予測などの最も一般的なユースケース向けの一連のソリューションを提供し、数回のクリックだけで簡単に始めることができます。GUIで目的に合わせたケースを選ぶだけで、内部の CloudFormation が組み込みのテンプレートを使用して、目的に合わせた適切なAWSリソースを利用できます。不要になったらDeleteボタンを押すだけでいいのもとても便利ですね。

AWS運用 機械学習の入門(まとめ)

機械学習として取り上げられる主なサービスについて紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?

機械学習はこれからますます需要が高まることが予想されています。入門者向けのサービスやアップデートが増えているため、今が取り組み始めるのに最適なタイミングとも言えます。興味がありましたら一度触れてみてはいかがでしょうか!

元記事発行日: 2021年02月17日、最終更新日: 2021年02月17日