AWS運用の基礎 アマゾン のクラウド“AWS”って何?
AWSという言葉は最近耳にするけど、実際に何が出来て何が便利なのか分かりづらい... という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、「AWSとは?」「AWSのメリットは?」「なぜ伸びているの?」という皆さんの疑問を分かりやすく解説していきます!
目次
AWS運用の基礎 アマゾンの事業とサービスが生まれた経緯
AWSはアマゾンが提供するクラウドサービスです。
Amazon Web Services の頭文字をとって「AWS」と呼ばれています。
そもそもクラウドサービスって何? という方は前回こちらの記事で説明しておりますので、是非チェックしてください♪
前回のブログ記事: AWS運用の基礎 いまさら聞けないクラウドとは?
AWSを理解するために、まずはアマゾンの事業を理解しましょう。
皆さん、アマゾンといえば何を思い出しますか?
ECサイトの Amazon が頭に浮かんだ方も多いのではないでしょうか。
私も大変お世話になっています。笑
実は皆さんがご存知の Amazon (アマゾン)には3つの事業の柱があります。
1つ目がECサイトの事業。
現在、最も利用されている通販サイトで、楽天やYahoo!を引き離して圧倒的なシェアを誇っており、ECサイトのアカウント数はなんと1億を超えていると言われています。
2つ目はマーケットプレイス物流サービス。
Amazonは基本的に、自分たちで仕入れを行い、自社で在庫を持って販売する、という直販のビジネスモデルですが、他の事業者がAmazon上で自分たちの商品を売ることができる仕組みのことです。
そして3つ目が今回ご紹介するAWSです。
アマゾンはこのようなECサイトのサービスを提供する中で、膨大な商品や顧客を管理したり、膨大なアクセスに耐えられるシステムが必要だったので、独自でシステムを作ることが必要になりました。
そのためにアマゾンによって開発されたサーバーやソフトウェアがAWSです。自分たちでサーバを調達して大規模なデータセンターを用意したんですね。
それを、自分たちの事業の展開という用途だけでなく、10年以上にわたる「amazon.com」のITインフラノウハウをサービス化して商品として提供することで、イノベーションのきっかけになるという考えに至りました。
そして、ただサーバーを提供するだけではイノベーションにならないので
「必要な時に、必要なだけ、低価格・従量課金(使った分だけ)」
というビジネスモデルで、今までのサーバの概念を覆すようなITリソースの提供を始めました。
皆さん、アマゾンはどの事業で儲けていると思いますか?
実はECで儲けている会社ではありません。AWS(Amazon Web Services)で利益を確保しているのです。営業利益ベースで見ると、その割合は63%*1にも上ります!
アマゾンの利益の半分以上をAWSが占めているというのは驚きですね!
*1 2019年12月期の業績
AWS運用の基礎 アマゾンのクラウド“AWS”の歴史
ここまで「そもそもAWSとは?」ということでAWSが生まれた経緯をお話しました。
では次に、もう少し理解を深めるためにAWSの歴史を知っておきましょう。
AWSは2006年の3月14日に最初のサービスを発表しました。2006年というと今から15年前(私は中学生くらい)。思っていたより歴史は古いです。
日本にAWSのデータセンター(東京リージョン)ができたのが2011年です。ちょうど10年前ですね。ターン・アンド・フロンティアが関西初のパートナーに認定いただいたのもこの年です。AWSは日本で既に10年もの間サービスを提供しているんですね。
では現在どれだけ使われているのか。
なんと、世界中で使われているクラウドサービスのうち45%、ほぼ半分はAWSを利用しています。
圧倒的なシェア率ですね。*2
*2 AWS re:Invent 2020 発表内容より
AWS運用の基礎 アマゾンのクラウド“AWS”の特長
では、なぜここまで人気なのか?伸びているのか?
AWSの特長を5つご紹介していきます。
クラウドサービスの特徴でもある
- 実際に使った分だけの課金
- 自由にスケールできる
- ビジネスチャンスを逃さない俊敏性
という点ももちろんAWSの特徴ではありますが、今回はさらにAWSが他社のクラウドサービスと比べて素晴らしい点についてご紹介します。
クラウドサービスの特徴を知りたい方は前回の記事をご確認ください。
前回のブログ記事: AWS運用の基礎 いまさら聞けないクラウドとは?
①サービスの豊富さ
1つ目は、サービスの豊富さです。
多くのクラウドサービスでは、 IaaS (Infrastructure as a Service) のサービスをメインとしているのに対して、AWS は IaaS だけではなく、 PaaS (Platform as a Service) や SaaS (Software as a Service) のサービスも豊富に取り揃えている点が特徴です。
現在、AWS では 175 を超えるサービスを提供していると言われています!
管理画面を見てみると、そのサービスの数に圧倒されますね。
Iaasのサービスを使う場合、何かやりたいことに対して、開発環境を用意し、ソフトウェアを作り込む必要がありますが、AWSは既にサービスが揃っているので、必要な機能を組み合わせるだけで、サービスが提供できます。
料理に例えると ──
IaaS がメインのクラウドは「料理をするための場所を提供する」
AWSは「バイキング」
IaaS がメインの他のクラウドサービスは料理をするための場所は提供するけど、美味しい料理ができるかは自分たち次第、
AWSは既に料理を取り揃えているので、必要なものを組み合わせて美味しく食べてね、
というようなイメージになります。
やりたいことを実現しようとしたときの選択肢も豊富ですし、スピードも上がるという点がメリットです。
AWSのサービスを簡単にご紹介すると ──
- データベース:Amazon RDS
- メールサーバー:Amazon SES
- ファイルサーバー:Amazon FSx for Windows ファイルサーバー
- 画像認識:Amazon Rekognition
── のように単なるサーバーではないサービスが揃っています。
②最先端の技術をいつでも利用可能
2つ目は、最先端の技術をいつでも利用可能ということです。
実際、お客様に提案をしていてひしひしと感じるのですが、AWSはサービスのアップデートが非常に多いのが特徴です。2018 年には 1,957 回のバージョンアップを実施したそうです。
私たちもスマートフォンでアプリがアップデートされて欲しかった機能が追加されたら嬉しいですよね!
同じようにサービスがアップデートされるということは、やりたいことを実現するための選択肢が増えるということですので、開発をするエンジニアの皆さんにとっては嬉しいポイントです。
ただサービスを提供するだけではなく、お客様からの声を元にサービスをアップデートし続けてくれるというのはAWSにファンが多い理由だと感じます。
③継続的な値下げ
3つ目は継続的な値下げをしているということです。
AWSは価格を下げ続けており、過去10年間で80回もの値下げを実施しているそうです...!!
値下げをし続けるサービスは私は聞いたことがなかったので、とても驚きました。
なぜ値下げが出来るのかというと──
顧客に満足してもらう → 顧客が増える → 技術に投資する → 効率改善 → 値下げ
──というように規模の経済が回っているからです。
これによりAWSは管理費を下げることができるので、その分をお客様に還元してくれているんですね。
④高いセキュリティを確保
4つ目は高いセキュリティを確保できるということです。
クラウドサービスというと皆さんが気にされるのが「セキュリティは大丈夫?」という点だと思います。
まず、AWSはデータセンターの場所を公開していません。場所を明かさないことで、物理的な攻撃や侵入を防ぐためです。
では、私たちは何を信頼したらいいのか、というと第三者機関による認証です。AWSではこれだけの認証を取得しています。
私たちがデータセンターに入れない代わりに、このような認証機関がAWSのデータセンターを審査しています。
これだけの認証を自分たちで取得しようとしたらどれだけ大変なことでしょうか。。
自社の大事なデータだからこそ「AWSに預けた方が安心」と言えますね。
⑤実績の豊富さ
5つ目は実績が豊富ということです。
実績が豊富だと何が良いのかというと、1つは多くの会社が使っているので安心、ということもありますが、真のメリットは「情報源が多い」ということです。
実績が豊富ということは、自分がやりたいこと、実現したいことを既に他の人が試している可能性が高いということです。そのため、インターネットで検索をすれば様々な情報が出て来ます。
実績がなければ自分たちで検証からスタートしなければいけないと思いますが、実績があればその情報を元に開発を進められるので、スピード感がアップしますね。
そのような観点から「実績が豊富」という点は大きなメリットになると考えられます。
AWS運用の基礎 アマゾンのクラウド“AWS”とは まとめ
いかがでしたでしょうか。
アマゾンは「地球上で最もお客様を大切にする企業」であることを企業理念としていることもあり、お客様からのフィードバックを元に日々サービスのアップデートを重ねながら、ここまで成長しています。これはビジネスを展開する上でも大変参考になる考え方ですね!
自社でAWSを活用したい!という方は、
是非、ターン・アンド・フロンティアまでお問い合わせください。
元記事発行日: 2021年02月17日、最終更新日: 2024年02月28日