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AWS運用 AWS Graviton とは

皆さんは「ARMアーキテクチャ」と聞いて何が思い浮かびますでしょうか?

2020年11月にAppleが自社設計のCPUを搭載した新しいMacを発売しましたが、そこで「ARMアーキテクチャ」という言葉を耳にされた方もおられるかと思います。Appleが初めてARMアーキテクチャを使用して設計したチップ "Apple M1" を搭載したMacの性能が、Intel製プロセッサを搭載した従来のモデルから大きく向上した事が話題となりました。

また、2020年6月および11月の「スパコン性能ランキングTOP500 *1 」を含む4部門で1位となり、2期連続の4冠としても世界初となった「スーパーコンピュータ富岳」もARMベースのアーキテクチャを採用しています。

このように昨今非常に注目されている「ARMアーキテクチャ」を採用したAWSのプロセッサが、今回ご紹介する AWS Graviton です。

AWS運用 AWS Graviton とは

CPUの基本設計である“アーキテクチャ”はCPUの性能や電力効率を大きく左右する要素でもあります。

現在の多くのパソコンやサーバーのほとんどのCPUはインテル社やAMD社の製品で、それぞれ Intel Core や、AMD Zenといったアーキテクチャが採用されています。今までは、MacだけでなくWindowsでもARMアーキテクチャを採用したパソコンやサーバーは基本的にありませんでした。

なぜなら「OSやアプリが対応していなかったから」です。

対して Android や iOS を利用するデバイスのCPUは、ARMアーキテクチャを採用しています。OSが登場した時からモバイル機器をターゲットとしており、省電力かつハイパフォーマンスである事が理由です。

AWS Graviton は 64-bitの Arm Neoverse コアを使用してAWSによりカスタム構成されたCPUです。

Amazon EC2 インスタンスに、最良の料金とパフォーマンスを提供します。2018年11月にARMベースの AWS Graviton プロセッサーを採用した「EC2 A1インスタンス(汎用 *2 ) 」が発表されました(東京リージョンでの利用開始は、2019年8月)。

A1インスタンス

インスタンスvCPUメモリ(GiB)ネットワーク帯域(Gbps)
a1.medium12最大 10
a1.large24最大 10
a1.xlarge48最大 10
a1.2xlarge816最大 10
a1.4xlarge1632最大 10

AWS運用 AWS Graviton2 とは

AWS Graviton2 は、第1世代の AWS Graviton プロセッサに比べ、大幅に改良されたパフォーマンスを発揮します。

第1世代と比較し、7倍のCPU性能、4倍のvCPU数、5倍のメモリアクセスを実現しています。

まず2020年5月に「M6gインスタンス(汎用*2)」が、続いて同年7月に「C6gインスタンス(コンピューティング最適化*2)」と「R6gインスタンス(メモリ最適化*2)」が追加、更に同年9月には「T4gインスタンス(汎用*2バースト*2)」が追加され、既存のインスタンスタイプをカバーできるラインナップが揃いました。

M6gインスタンス

インスタンスvCPUメモリ(GiB)ネットワーク帯域(Gbps)EBS帯域幅(Mbps)
m6g.medium14最大 10最大 4,750
m6g.large28最大 10最大 4,750
m6g.xlarge416最大 10最大 4,750
m6g.2xlarge832最大 10最大 4,750
m6g.4xlarge1664最大 104,750
m6g.8xlarge32128129,000
m6g.12xlarge481922013,500
m6g.16xlarge642562519,000

※ 他にもインスタンスストレージに対応する「m6gd系」がラインナップされています。詳しくはAWSの公式サイトをご覧ください。

C6gインスタンス

インスタンスvCPUメモリ(GiB)ネットワーク帯域(Gbps)EBS帯域幅(Mbps)
c6g.medium12最大 10最大 4,750
c6g.large24最大 10最大 4,750
c6g.xlarge48最大 10最大 4,750
c6g.2xlarge816最大 10最大 4,750
c6g.4xlarge1632最大 104,750
c6g.8xlarge3264129,000
c6g.12xlarge48962013,500
c6g.16xlarge641282519,000

※ 他にもインスタンスストレージに対応する「c6gd系」がラインナップされています。詳しくはAWSの公式サイトをご覧ください。

R6gインスタンス

インスタンスvCPUメモリ(GiB)ネットワーク帯域(Gbps)EBS帯域幅(Mbps)
r6g.medium18最大 10最大 4,750
r6g.large216最大 10最大 4,750
r6g.xlarge432最大 10最大 4,750
r6g.2xlarge864最大 10最大 4,750
r6g.4xlarge16128最大 104,750
r6g.8xlarge32256129,000
r6g.12xlarge483842013,500
r6g.16xlarge645122519,000

※ 他にもインスタンスストレージに対応する「r6gd系」がラインナップされています。詳しくはAWSの公式サイトをご覧ください。

T4gインスタンス

インスタンスvCPUメモリ(GiB)ベースラインパフォーマンスクレジット取得/hネットワーク帯域(Gbps)EBS帯域幅(Mbps)
t4g.nano20.55%6最大 5最大 2,085
t4g.micro2110%12最大 5最大 2,085
t4g.small2220%24最大 5最大 2,085
t4g.medium2420%24最大 5最大 2,085
t4g.large2830%36最大 5最大 2,780
t4g.xlarge41640%96最大 5最大 2,780
t4g.2xlarge83240%192最大 5最大 2,780

※ ベースラインパフォーマンス: クレジット枯渇時の1vCPUあたりのCPUパフォーマンス
※ クレジット取得/h: 1時間あたりのクレジット取得数

AWS運用 メリットとデメリット

メリット

コストパフォーマンスの向上

AWSは、比較できる現行世代のx86ベースインスタンス(M5、C5、および R5 インスタンス)と比較して約20%のコストダウンと最大40%高いコストパフォーマンスと公表しています。これは AWS Graviton2 を選択する一番の理由であり、最大の特徴と言えます。

幅広いエコシステムをサポート

Amazon Linux 2、Red Hat、SUSE、Ubuntu など、一般的な Linux オペレーティングシステムによりサポートされます。

インスタンスタイプの細分化

従来のM系、C系、R系インスタンスタイプは、最小タイプはlargeでした。しかし AWS Graviton2 では最小タイプは medium から選択でき、largeタイプのバリエーションも、x, 2x, 4x, 8x, 12x, 16x と細分化されているため、利用環境に応じた適切なインスタンスタイプを選択することが可能です。

デメリット

互換性

従来のインスタンスタイプからのタイプ変更はできません。理由は同じ Linux OS でも AWS Graviton2 に対応したバージョンが必要だからです。そのため既存のシステムを単純に移行することは不可能で、新たに AWS Graviton2 に対応したOSでインスタンスを構築し、設定から始める必要があります。
また、インストールするパッケージはx86用ではなくaarch64用を使用します(パッケージの存在や利用可否の事前確認を推奨)。

Windows は非サポート

残念ながら現時点では Windows Server OS はサポートされていないため、インスタンスを構築することができません。将来的には対応する可能性が無いとは言えませんが、対応可否は Microsoft 次第です。

※ 2021年1月現在
※ 過去にARM環境で動作する「Microsoft Windows 10 Mobile」が存在しました

AWS運用 AWS Graviton(まとめ)

AWS Graviton2 はこのようなお客様にお勧めします。

  • 現在、Linux系OSでEC2インスタンスをご利用中で ──
    • システムリプレースを検討中
    • 運用コストを抑えてパフォーマンスを向上させたい
  • Linux系OSシステムをAWSへの移行を検討中
  • 新規構築案件のシステムが、Linux系OSである

弊社では、当サイトの cloud link 価格表に掲載されていないインスタンスタイプであっても、もちろんご提供可能です。お客様に最適な構成をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

*1 スパコン性能ランキング TOP500

*2 インスタンスタイプは「汎用」「コンピューティング最適化」「メモリ最適化」「高速コンピューティング」「バースト」などがあります。

元記事発行日: 2021年02月22日、最終更新日: 2021年02月18日