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AWS運用の入門編 〜やさしい解説〜

みなさんはAWSをご存知ですか?近年急速に広がりを見せるこのサービス。「聞いたことはあるけれど実際よく知らない」「今さら人に聞けないし、ネットで調べても難しい記事ばかり、、」「これからAWSについて勉強したい!」という方も多いのではないでしょうか。AWS運用の入門編をやさしく解説します。

AWS運用の入門編としてまず知っておくべきこと

AWSとは、Amazon Web Servicesの略です。

あの有名なAmazonが展開しているクラウドサービスで、なんと世界シェアNo.1。Amazonって、ネットショッピングとか動画見放題サービス、電子書籍の販売をやってる会社というイメージが強いかと思いますが、実はこんなサービスもやっていたんですね〜。

今回は、そもそも「クラウドサービス」って何?というところからお話をしていこうと思います。

クラウドサービスとは、例えると「雲(クラウド)」の上でデータを管理・運用できるサービスということです。

今までは、会社ごとに自社で「データセンター」を持っていて、そこで情報を管理していました。みなさんの務める会社にもサーバールームがあったりするのではないでしょうか?そして情報システム部などの方々が、そのサーバーを管理しています。(サーバーとは、機能やサービスを提供してくれるコンピュータ)

それに対して、クラウドは「雲の上にデータを置いて管理する」というイメージです。ざっくり言うと、データ管理を自社でするのか他社に任せるのかということになります。

雲の上にデータを置くという表現をしましたが、実際データがどこにあるのかと言うと、クラウドサービスを提供している企業が持っているデータセンターで管理されています。

AWSのデータセンターは全世界で24箇所に存在し、日本では東京(大阪にも一応ある)にあります。セキュリティの問題などがあるため、具体的に東京や大阪のどこにあるのかは非公開となっています。(どこにあるのか気になりますね)

実は、気付いていない間にみなさんもクラウドサービスを利用しているかもしれません。例えば「Gmail」や「Yahooメール」もクラウドサービスの一つです。

こういったメールは特にサーバーなど何も準備しなくても、safariやchromeなどのブラウザでネット検索して登録さえすれば利用できますね。自分のパソコンでメールのデータを管理せずとも、「Gmail」や「Yahooメール」側がデータを管理してくれています。

他にもiPhoneユーザーなら「iCloud」や、私が学生時代からお世話になっていた「Dropbox」などもクラウドサービスです。これらはデータを保存しておくオンラインストレージというものですね。「iPhoneの容量がいっぱいになっちゃったからiCloudにあげておこう!」みたいな感じです。意外と身近にクラウドサービスに触れている機会も多いんですね。

AWSでどんなことができるの?

「じゃあAWSを使うとどんなことができるの?」というお話をします。

AWSは175以上のサービスを提供しており、みなさんが抱える問題によってサービスを組み合わせて使います。代表的なものをご紹介します。

  • Amazon EC2 サーバー(機能やサービスを提供してくれるコンピュータ)の役割
  • Amazon RDS データベース(大量の情報を集めたり、集めた情報を簡単に検索できたりするもの)の役割
  • Amazon S3 ストレージ(データの保管庫)役割

このあたりはなんとなく想像がつくのではないでしょうか。自分でわざわざ機器を色々と買いに行かなくてもAmazonがすべて用意してくれるんです。モニターとキーボードなどがあれば大体使えます。
他にも面白いサービスがたくさんあり、

  • Amazon RoboMaker ロボット工学アプリケーションの開発やテストが行える
  • Amazon Managed Blockchain ブロックチェーンネットワークを作成・管理できる

こういった最新技術を使ったものまで幅広く用意されています。

実際に自分で機器を揃えて設定するとなると、お店に行って購入して機器を設置して配線を繋いでOSを入れてアプリケーションを入れて設定して、、、といった風に、とんでもない時間と労力がかかります、、(白目)

AWSだと、何を使いたいのかポチポチ選ぶだけなので数クリックするだけ。ものの数分で完了してしまいます。また、サーバーなどを使い終わって不要になった場合はすぐに消すこともできます。

では次に実用例を見ていきましょう。

アパレル企業

アパレル業界は季節ごとにセールがあり、シーズンによって売上の差が大きいです。例えばネットショッピングができるアパレル企業だと、注文や履歴などをサーバーで管理していることも多く、セールの期間にアクセスが殺到してサーバーがダウンしてしまった!みたいなことも起こりうるのです。

だからといってセールの期間だけサーバーを増やすのも面倒。あまり服が売れない時期でもピーク時に備えてサーバーをたくさん用意しておくのも無駄にコストがかかってしまいます。

、、そこでAWSの登場です!

先ほど、サービスを簡単に起動・削除ができるとお話しましたね。「セールの期間だけサーバーを増やしちゃおう!」が実際にできてしまうのです。手動でポチポチクリックして増やすこともできますし、設定を変えれば、需要に合わせてサーバーを自動で増やしたり減らしたりも可能です。(便利〜)

・コンビニ

毎日大勢の人が利用しており、顧客のニーズを捉えて柔軟に商品の入れ替えなどが必要なコンビニ。かなりの店舗数の膨大な情報を扱う基幹システムやPOS管理システムは、年々データが増え管理しきれなくなったり、メンテナンスや増強にコストと時間がかかっていました。

システムをAWSに移行することによってこのような問題が解消し、商品開発や新しい戦略の考案など他の業務に割く労力が増やせたといった結果に繋がりました。

上記は一例で、政府・教育機関、金融、スタートアップ企業などさまざまな企業がAWSを取り入れています。

AWSを導入するメリット

メリットについて前述でも軽く触れていますが、詳しくみていこうと思います。

・初期費用が無料

AWSは初期費用がかかりません。また、「従量課金制」といって、使った分だけ料金を支払うというシステムなので余分なコストがかかりません。必要がなくなった時はサーバーを停止・データを削除すると課金が停止します。

・継続的な値下げ

AWSは2006年からサービスを開始し、この十数年で業界No.1となるまでの規模まで成長しました。サーバーの調達費やデータセンターの維持費を仮想サーバー1台あたりに直すと、規模が拡大するにつれてどんどん安くなります。使う人が増えれば増えるほど安くなるといった仕組みです。実際に過去10年で70回以上もの値下げが行われています。

・柔軟に設備を増減できる

必要に合わせてサーバーの台数を増減できます。その操作も数分で完了。台数の増減に加えて、CPU、メモリ、ストレージのサイズなども変更可能です。ピーク時に合わせて余分な設備を用意しなくて済むためコスト削減に繋がります。

常に最先端の技術が使える

AWSでは現在165種類以上のサービスの利用が可能です。毎年新しいサービスがリリースされたり、既存のサービスもアップデートを重ねています。システム自体が古くなったので入れ替えを検討するなどの手間がかかりません。課題に合わせてAWSのサービスを組み合わせられるので、「あのシステムはこのベンダーさんに頼んで、こっちのシステムはまた別のベンダーさんに頼む」ような煩雑なやりとり無しでAWSのみで完結できます。

セキュリティ

クラウドを考えた時にセキュリティ面を心配される方もいらっしゃいますが、AWSはセキュリティのレベルも高く、信頼されているからこそ世界中の方々に利用されています。第三者機関の認定も数多く受けています。

AWSを導入するデメリット

そんなに多くはないのですが、デメリットについてもご紹介します。

サービスの種類が多いため、どの組み合わせにするかなど設計が必要

サービス数が多いのが強みですが、あまり詳しくない場合は何を組み合わせたら良いのか判断が難しいです。そういった際は、日本国内でも導入パートナー企業がたくさんありますので、担当者に相談してみるのが良さそうです。(ネットでAWSを調べると日本語訳されていたり日本人が書いたものもありますが、英語の資料しかない場合もあるので、なかなか調べるのが大変)

コストの変動予測が困難

企業でAWSを使用する場合は、IT部門の予算などを決めなければいけないこともあるかと思います。需要があまり変化せず、ほぼ一定であればある程度予測できますが、時期によって変化が大きいとどれくらいのコストがかかるか予測が難しくなります。

クラウドへ移行する企業が増えていますが、場合によってはオンプレミス(自社で物理的なサーバーを持つこと)の方が適していることもありますので、どんなメリット・デメリットが発生するのか一度考えてみるのも良さそうですね。

こんな人はAWSがおすすめ

こんな課題を抱えている方々はAWSで解決できるかもしれません。

・データが増えて整理が追いつかない

データがどんどん増えていってシステム内がブラックボックス化している企業は多いのではないでしょうか。(個人の場合も)何がどこに入っているのか分からず、でもどんどん増えていくので設備も増築しないといけない、、とお困りの方はAWSで解決できそうです。

また、蓄積したデータの分析サービスもあるので、例えば購買履歴などからよく売れている商品の分析ができたりもします。

・在宅勤務制度を取り入れたい

コロナウイルスが流行し、在宅勤務制度を検討している企業も増えたかと思います。自宅からでも会社のサーバーにアクセスできるようにするためにはクラウド化するのがおすすめです。

例えばAmazon WorkSpasesというサービスは、ディスプレイ・マウス・キーボードがあれば、仮想デスクトップを立ち上げることが可能で、自宅からの接続や端末を社外に持ち出す際などに便利です。

・WEBサイトを作りたい

WEBサイトもAWSで作成が可能です。先述したAmazon EC2やAmazon S3などを使って数分でサイトを立ち上げることができます。Amazon LightSailというサービスは、必要な機能がパッケージになっているため、こちらを使うとより簡単に作成できそうです。

AWS運用の入門編 実際に使ってみよう

まずはアカウント作成!

AWSのホームページからアカウント作成ができます。連絡先情報やお支払い情報を入力していきましょう。クレジットカードの登録が必要になるので事前に用意しておいてくださいね。

サポートプランはいくつかあり、必要に合わせて選択できます。ベーシックプランは無料なので、とりあえず試しに作ってみようかなという場合はこちらがおすすめです。

登録が完了すると通知メールが届きます。

次はアカウントへログイン。AWSのトップページからメールアドレスとパスワードを入力します。

「AWSマネジメントコンソール」という画面が現れますので、今後はインスタンスの作成や設定変更、利用状況の確認など、すべての管理がこのコンソールで行えます。

新規の登録であれば一定期間無料で使えるサービスもたくさんあるので、色々お試ししてみましょう!

EC2サーバーを立ち上げてみるも良し、S3でWEBページを作ってみるも良し。

AWSマネジメントコンソールはアイコン表示で視覚的にも管理しやすい設計になっています。昔はコンソールは英語でしか表示できなかったのですが、今は日本語にも対応しているので安心です。

企業単位でAWSの導入を検討している場合は、国内にパートナー企業もたくさんあるので問い合わせてみてもいいかもしれませんね。

元記事発行日: 2020年07月31日、最終更新日: 2023年04月03日

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